「草履、雪駄、いー下駄.com　福島履物店」の福島です。
今日、お客様が下駄を4足お持ちになり、鼻緒調整3足と挿げ替え1足のご依頼をいただきました。
インターネット通販で、足のサイズに合わせてくれる専門店から購入されたとの事でしたが、鼻緒が緩くなって来たのでもっと鼻緒を詰めて欲しいとのご希望です。

鼻緒は専門店だというのに、穴が切れ広がる可能性のある手抜きの挿げでした。
以前の鼻緒の挿げ替えでも書きましたが、下駄の鼻緒には場合によっては、瞬間的に体重の数倍の荷重がかかります。このとき穴が切れ広がり鼻緒は緩み、最悪の場合抜けてしまうこともあります。

手前の2足も同じような手抜きの挿げでした。

手前2足、修正前　奥の2足、修正後　手前右の水色の鼻緒は、挿げ替えのご依頼で当店の鼻緒に変えます。

今回鼻緒調整のご依頼品3足は全て、鼻緒が内折りで挿げてありました。
多くの鼻緒が、足の当る内側部分には柔らかい生地を使用しています。内折りにすると固い表生地が足に当たります。鹿革印伝のように、表に固い部分がある鼻緒を内折りに作ると、間違いなく鼻緒ずれを起こします。
こういった事もあるので、私が作る鼻緒は必ず外折りにします。鼻緒の表が下駄に入る部分にシワが入るので、若干見た目は悪くなりますが、履いてなんぼの物ですから